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原発の発電コスト

原発の発電コストの検証

■自然エネルギー
        

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福島原発事故と、これまでの経過
2011.3.11東北地方太平洋巨大地震と巨大津波が福島第一原発を襲う。地震・津波と人的要因も相まり、原子力発電史上初めて炉心熔融事故が発生し、多量の放射性物質が外部環境に放出され、日本における最大規模の原子力事故(レベル7:深刻)となった。

1955年「原子力基本法」制定、1956年原子力委員会発足、最初の「原子力長期計画」がまとめられ、原発が日本の電力の一翼を担うこととなった。1970年関西電力美浜原発1号機が営業運転開始、翌1971年東京電力福島第一原発1号機が営業運転開始。その後、次々に原発が全国で設置され、現在15箇所54基まで建設されている。

2010年現在各電源の実績
事業用全供給電力23,715万kW
その他全自家用供給電力4,395万kW
全電源供給電力合計28,110万kW
事業用年間全電源発電電力量約1兆kWh、内原発年間全発電電力量約0.3兆kWh
原発年間全発電電力量が事業用電源年間全発電電力量に占める割合約30%
原発全供給電力が事業用全電源供給電力に占める割合約20%
電気事業者は原発を最大出力、その他の電源を需要変動に応じて出力調整を行っている。

2011年全原発供給電力の現状 福島原発事故以前と以後
2011年8月現在、定期検査中22基、東日本大震災やトラブルなどで運転停止中が21基、営業運転中が10基、調整運転中が1基。設備原発54基中の約1/5の11基が運転中となっている。そのため現在全原発供給電力は4,884万kWから約1/4の986.4万kWに急落

原発全供給電力が約1/4に急落したため、2011年の原発年間全発電電力量が事業用電源年間全発電電力量に占める割合約7%になると推定される。
なお2011年は原発事故に伴い、全電力消費量削減目標15%を官民一体で取り組んでいるので、全発電電力量の2割減8千億kWh近くを達成できるかもしれない。そうなれば、仮に原発が全て停止したとしても自家用4,395万kWに、殆ど発電していない揚水発電2,564kWを加えると十分足りる数値である。
以上は、「原発の発電コスト」にて論考している。


原子力エネルギーは最後に人類が到達した究極のエネルギーではなく、あだ花だった
原発は生物と共存できない「異質な危険性」を包含している。
原発という木は、科学という土に水や肥料を与えないで放置した挙句あだ花を咲かせ、やがて地震と津波がきてなぎ倒された。そして実を結んだ悪い種は世界中に撒き散らされた。今回の福島原発事故はそう解釈することができる。

生命の奇跡
『この宇宙には・・・惑星の数は約四兆。その四兆の惑星のなかに、この地球のように、ほどのよい気温と豊かな水に恵まれた惑星はいくつあるのでしょう。・・・だからこの宇宙に地球のような水惑星があること自体が奇蹟なのです。・・・地球にあるとき小さな生命が誕生しました。これも奇蹟です。その小さな生命が数かぎりない試練を経て人間にまで至ったのも奇蹟の連続です。・・・こうして何億何兆もの奇蹟が積み重なった結果、あなたもわたしもいま、ここにこうしているのです。・・・人間は奇蹟そのもの。・・・だから人間は生きなければなりません。』
井上ひさし

地球という星は太陽からのほどよい距離にあり、それが後に太陽エネルギーを受け生命が誕生する条件になった。原初は二酸化炭素が殆どをしめ酸素が殆どない灼熱地獄だった。水蒸気は隕石によってもたらされ、それが雨となって地球の温度を序々に下げてゆき、やがて陸と海に分かれた。46億年前の地球誕生から約8億年後の38億年前に海底に生命が誕生した。32億前になると無尽蔵の二酸化炭素と光合成によって有害な酸素を排出するシアノバクテリアが生まれ、酸素濃度が急速に増えていった。これにより大気圏が形成され、水と光合成でを栄養分に蓄える植物と、それを食べて繁殖する動物に分かれた。

人類の誕生
人間もまた太陽エネルギーを受けて生まれた生物の末裔の一つである。人間は火を獲得し、自然に働きかけて農耕し水と食糧をえた。
最初、自然の火を絶やさないようにして使っていたが、そのうちに枯枝などに発火して自分でつくることを覚えた。次に燃料になるものとして薪をつくり、石炭を掘り、石油、ガスなどを利用するようになった。これらの一次エネルギーは、産業革命以降エネルギー転換して、民生家庭や産業用電力、鉄鋼用コークス、輸送用燃料、産業用石油製品に形を変えて利用されるようになった。これまでの一次エネルギーは、全て太陽エネルギーを受けて光合成したもの。次の光合成反応式で表される。
6CO2 + 6H2O+光エネルギー → C6H12O6 + 6O2
C6H12O6を燃焼すると二酸化炭素CO2 が排出される。CO2 は光合成に必要。無害であるが、多くなりすぎると地球温暖化を促す要素をもっている。

原子力エネルギーは空気を必要としない、生命圏と無縁のエネルギー
核燃料とは、ウラン235に中性子を当て、核分裂させた時に発生する莫大なエネルギーを利用する。この時に放射性廃棄物ができる。この放射性廃棄物は生命に無害になるまでには数百年から百万年までかかるので、生命圏に出てこないように厳重に管理する必要がある。ウランを採掘・精錬する過程でも膨大な放射性残土・鉱滓が残る。これも同様に管理しなければならない。また、原発事故が起きた場合、広範囲な生命圏に放射性物質は拡散してしまうので、簡単に除染することができない。これを体内に取り込むと内部被ばくにより細胞のDNAを壊し、長期間の間にがんを発症する確率が増えてくる。

良い種を選んで、正しく育てよう
作物を種から育てる場合、まず良い種を選ぶことが必要である。種を選んだら、土に水と肥料をやり、十分鋤き込む。そして苗をつくり追肥をやりながら朝夕観察し育てる。そうすれば、やがて花が咲き、実がとれる。これを毎年繰り返す。場合によっては試験所で種の品種改良も行われる。このように、「今後良い種を選んで、正しく育てる取り組みがエネルギー政策」である。

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最終更新日
2014年7月15日